藤本本店ふじもとほんてん 宮崎県東臼杵郡
藤本本店は九州の屋根といわれる九州山脈の中心に
位置し諸塚山を中心とする山に囲まれた大自然の中に
あります。村の95%を山林が占め林業が盛んな土地です。
現在では町の産業も衰退し、過疎化が進み
人口2000人程の小さな村となってしまいました。
『納得するまで熟成させて、焼酎の旨い時期を見計らって
出荷する、頑固な蔵元がある。』そんな話を聞いて、
藤本本店の焼酎を飲んで本当に驚いたのを今でも
鮮明に憶えています。『絶対に藤本さんに会いたい、話したい』と
思って訪問したのが始まりです。
訪問した際の『藤本一喜氏』は素朴で本当に優しい方と
お見受けしました。『さあ、蔵でも見ましょうか!!』の一言で
藤本ワールドが始まりました。
まず蒸留器を見て、今まで見た事がないくらい背が低くて
寸胴な太い蒸留器、太く深い酒質もうなずけます。
非常に手間の掛かりそうな蒸留器でした。
麹室は小さいながらもとても清潔感あふれ、蓋麹法にて
麹造りを行っています。
感動するほどの手間の掛けようです。
長い熟成で酒質が伸びるのもうなずけます。
『藤本一喜氏』の焼酎にかける情熱は語らず、
人に見せない労力にありました。
2005年度の醸造から蒸留器も新設し、藤本本店の太く、
深い酒質はそのままで、綺麗になった印象です。